駄菓子屋の奥にあった、ひときわ目立つアーケード筐体。
数十円を握りしめ、順番を待つ子どもたち。
その画面に突然ふすまが現れ、次々に開いていった奥には──あの男、ギース・ハワードが立っていた。
ふすまの向こうに現れる強敵。その瞬間、空気が変わる。
私はその演出を、いまでもまぶたの裏に焼きつけている。
餓狼伝説、26年ぶりの帰還と特番配信

SNKが放つ伝説的タイトル「餓狼伝説」。その最新作「City of the Wolves」が、ついに姿を現す。
その発売に先駆けて、2025年4月17日──シリーズの魅力を伝える特別番組が配信された。
タイトルは「餓狼伝説 City of the Wolves ✖ 新旧CAG OSAKA 特番」。
登場したのは、どぐら(CRAZY RACCOON)、フェンリっち(CAG OSAKA所属)、そしてCAGを脱退し新たな新天地を求めるGO1。
彼らによる総当たり戦を軸に、ゲームの本質に迫る濃密な時間が届けらる。
YouTube、Twitchにて同時配信
・YouTube「CAG OSAKA」:https://www.youtube.com/channel/UCWLD7HNCfLD50iOSF7uyTPw
・Twitch「CYCLOPS_OSAKA」:https://www.twitch.tv/cyclops_osaka
なぜ、プロは古いIPに惹かれるのか?
ひとつの問いが浮かぶ。
なぜ、最前線のプロたちが、26年ぶりの続編にここまで熱を注ぐのか?
答えはシンプルだ。
「面白いから」である。
格闘ゲームは、物理エンジンでもなければ、リアルグラフィックでもない。
必要なのは、タイミング、心理戦、そして手触りだ。
『City of the Wolves』には、そのすべてがあった。
懐かしさと新しさが同居する、不思議なリズム。
触れた瞬間、すぐにわかるだろう。これが“餓狼”だ、と。
餓狼伝説が示す未来
『餓狼伝説 City of the Wolves』は、単なる“懐古”ではない。
それは、過去と未来が融合し、新たな物語を紡ぎ出すための「舞台装置」だ。
そして、その舞台に立つのは開発者ではなく、プレイヤー。
特番で交わされた拳の音が、静かにそれを物語っていた。
たぶん、格闘ゲームは“文化”なんだと思う。
いや、文化であり、競技であり、そして人生。
そんなことを思わせてくれる作品だと期待しよう。