あるチームの名前が変わった。ただそれだけのことが、やけに心に引っかかる。
福岡を拠点に活動してきたプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」が、2025年春、名前もロゴもオーナーも変えて新しいスタートを切った。新たな名は「QT DIG∞(キューティー ディグ インフィニティ)」。
ぱっと見で「え、かわいい系になった?」と思うかもしれない。けれどこの名前、かなり奥が深い。
「DIG」=掘る。「∞」=終わらない好奇心
「DIG」という言葉には、「掘る」「調べる」「夢中になる」などの意味がある。考えてみれば、eスポーツってそのどれにも当てはまる。
勝ち筋を“掘り出す”、メタを“調べる”、そしてゲームに“夢中になる”。
QT DIG∞という名前は、eスポーツをただの勝負や娯楽としてではなく、「文化を深堀りする行為」として捉えなおそうというメッセージに聞こえる。
そして「∞(無限大)」のマーク。ロゴでは、D・I・Gの文字と融合し、“未来への可能性を解き放つ扉”を象徴しているという。
競技シーンの枠を超えて、教育やPC事業などにも挑戦していくそうだ。eスポーツという「ゲームの中の戦い」を、現実社会に接続しようとしている。
「ストリーマーがチームオーナーになる時代」がやってきた
この新しいチームを率いるのは、人気ストリーマーのLiaqN(りあん)さん。YouTubeやTwitchで活躍する彼は、「チームを持つのが夢だった」と語っている。
ストリーマーからチームのオーナーへ——これは今のeスポーツの転換点を象徴している動きかもしれない。
ゲームを“見せる人”と、ゲームで“勝つ人”の境界線はどんどん曖昧になってきている。
ファンと一緒に楽しみ、プレイヤーとも並走し、ブランドも育てる。そういう「混ざり合う形」のチーム経営が、これからの主流になるかもしれない。
名前を変えることは、未来を変えることだ
ブランド名を変えるというのは、名刺を変える以上に大きな出来事だ。
それは、「これまでの自分とは違う生き方をする」という宣言でもある。QT DIG∞という名前の裏には、「ただのチームでは終わらないぞ」という意志が見える。
かつて“戦国(Sengoku)”を掲げていた彼らが、今度は“DIG∞”という、どこまでも掘っていくような名前に変わった。
戦う時代から、探究する時代へ。eスポーツは「文化を掘るカルチャー」になれるか——その実験が、いま福岡で始まっている。
公式HP:https://qtdig.com/
LiaqN 公式Youtube:https://www.youtube.com/@LiaqN_