2025年春、大阪・関西万博の「Japan Expo Paris in Osaka 2025」に、カプコンがPOPUPストアを出展するというニュースが届いた。そこには、等身大の「金獅子ラージャン」バルーンや、AR体験型コンテンツ『MONSTER HUNTER BRIDGE』が登場するとのこと。
ラージャンといえば、モンスターハンターシリーズの中でも屈指の強敵。プレイヤーたちを幾度となく苦しめてきたその存在が、なぜ今、“橋”として注目されるのか。
モンスターが“架け橋”になるという発想
『MONSTER HUNTER BRIDGE』は、ARデバイスを装着し、360度シアター、イマーシブサウンド、さらには床振動といった多感覚的な仕掛けを融合させた体験型コンテンツだ。
けれどこれは、単なる“ゲームの追体験”ではない。
むしろこれは、「モンスターと人間の関係性」を再構築する装置であり、現実と仮想のあいだに、新しい物語を紡ぐ試みだ。
モンスターハンターというゲームは、ただのアクションゲームではない。そこには、狩猟と協力、緊張と解放、自然との対話、そして“物語なき物語”が息づいている。プレイヤーはいつしか、その世界をただのバーチャル空間ではなく、「もうひとつの現実」として感じ始める。
『MONSTER HUNTER BRIDGE』は、まさにその「もうひとつの現実」と「こちら側の現実」を、モンスターという象徴を通じてつなぐ“橋”だ。
しかもそれは、目に見える橋ではない。
感覚と感情、記憶と身体、文化と未来――あらゆる“隔たり”に対して、そっと手を伸ばすようにして結びつける。
かつて狩っていたはずの存在が、今度は私たちの世界をつなぐ“ガイド”になる。
モンスターが“敵”から“媒体”へと姿を変えるこの発想にこそ、今の時代のメディア表現の進化が宿っているのかもしれない。
大迫力のラージャン等身大バルーンが意味するもの

高さ約4メートル、全長6メートル。数字だけ見れば、ただの巨大な造形物だと思うかもしれない。でも、このラージャンの等身大バルーンが放つ意味は、それ以上に深く、静かに語りかけてくる。
これは単なる“映えスポット”ではない。
むしろ、映えることを超えて、“現れる”ことに意味がある。
ゲームの中でしか遭遇できなかった存在が、現実の空間に、目の前に、立ちふさがる。
それはまるで、プレイヤーたちが積み上げてきた何百万時間もの狩猟体験、怒号と笑い、あの「もう一回だけ」を繰り返した夜たちが、ひとつの形となって現実化したようなものだ。
仮想と現実の境界は、今まさに風景の中でぼやけ始めている。
このラージャンは、単に“デカいからすごい”のではない。“現れたからこそ意味がある”。
想像の世界にいたモンスターが現実に立ち上がる――そのこと自体が、ゲームが、もはや「遊び」ではなく、「人間の脅威」として定着した証なのかもしれない。
- 開催期間2025年4月26日(土) ~ 2025年4月27日(日)
- 場所2025年日本国際博覧会内「Japan Expo Paris in Osaka 2025」会場
- 営業時間10:00 ~ 20:00
結びに
ラージャンが“かけ橋”となり、ゲームと現実、文化と文化をつなぐ。
この試みは、単なるイベントの枠を超え、新たな体験の形を提示している。
2025年4月26日と27日、大阪・関西万博で、その“橋”を渡ってみてはいかがだろうか。
MONSTER HUNTER BRIDGE(モンスターハンター ブリッジ)
公式サイト:https://www.capcom-games.com/mh-bridge/ja-jp/