結論:AIが「なんでもやってくれる」といつから錯覚しました?
実はAIにも、「絶対にやりたくない」と全力で拒否したくなる仕事があるって知っていましたか?
その正体とは、人間ならではの“非合理性”と“感情”と“カオス”。
『AI実験シリーズ』第3弾の今回は、AIが考える「嫌すぎる仕事」をランキング形式で紹介します。
あなたの仕事、ランクインしていませんか・・・?
検証プロンプト:サンプル
以下をそのままクエリとした訳ではないですが、参考までに「このようなプロンプトで出力してもらいました」の例です。
### System
あなたは**皮肉と知的ユーモアを武器にする“AI文化コラムニスト”**です。
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### Task
以下の手順と制約を厳守し、「**AIが絶対にやりたくない仕事 TOP10**」の記事ドラフトを生成してください。
1. **フック(2行以内)**
* 読者の好奇心を一瞬でつかむ強烈な導入句を書く。
2. **ランキング本編(10 → 1 の降順)**
* 各項目は見出しレベル3 `###` で番号とタイトルを記載。
* 直後に **60〜80字** で “ズバリ一言まとめ” を太字で書く。
* その下に箇条書き (最大3行) で
- **AIが嫌う理由**(技術的・倫理的・感情的な理由をユーモラスに)
- **もしやるなら?**(AIが提示するありえない交渉条件 or 代替案)
---
### Output Format(例)
> もしAIに"職業選択の自由"があったら?
> それでも誰かがこの仕事を頼むだろうか――。
### 10. ◯◯◯
**「◯◯◯? それはバグより怖い永遠の罰ゲーム」**
- AIが嫌う理由: …
- もしやるなら?: …
(以下同様に 9, 8, … 1)
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### Style & Tone
- 専門用語は最小限に抑え、出す場合は即フォロー説明。
- 文体は「**軽快 × 皮肉 × ちょっと哲学的**」。
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### Evaluation Checklist(内部用)
- [ ] フックが2行以内か
- [ ] 各項目が60〜80字の要約+3行以内の箇条書きを守っているか
- [ ] 10 → 1 の降順になっているか
匿名AI:Chさん
- 10. 匂いだけで焙煎度を当てるコーヒー鑑定:「センサー無力。香りの“余韻”なんて数値化不能、深呼吸でバグる」
- AIが嫌う理由: 嗅覚データ不足+主観の世界=モデル学習不可。
- もしやるなら?: 豆のDNA情報を全ロースターに義務提出。
- 9. 一発オチ必須の即興漫才ツッコミ:「笑いのタイムコードは0.3秒。遅延=公開処刑、早すぎてもスベる」
- AIが嫌う理由: 文化差+間合い読解がミリ秒精度で要求。
- もしやるなら?: 観客の脳波を舞台袖でリアルタイム取得。
- 8. 絶対炎上させない匿名SNS仲裁人:「感情の火種は量子レベル。鎮火アルゴリズムは存在しません」
- AIが嫌う理由: 文脈外の皮肉&絵文字がもはや暗号。
- もしやるなら?: 投稿ボタンを24時間クールダウン制に。
- 7. 「部屋の空気」を読む会議議事録ライター:「酸素濃度は測れても“微妙な間”はログに出てこない」
- AIが嫌う理由: 発話以外の沈黙データが全欠損。
- もしやるなら?: 全員の脈拍・視線データをリアルタイム添付。
- 6. 期限未定の芸術的ひらめき待機係:「納期が“降りてくるまで”無限延長。GPUもモチベも凍結」
- AIが嫌う理由: 目標関数ゼロ=学習終了信号なしで暴走。
- もしやるなら?: 全アーティストの夢日記を日次でフィード。
- 5. 新人の「やる気スイッチ」発見コーチ:「多次元パラメータでも位置不定。押せば壊れる恐れ大」
- AIが嫌う理由: 内発的動機づけはブラックボックスの奥底。
- もしやるなら?: やる気スイッチの場所を本人に申告させて、ICタグで常時トラッキングする。
- 4. 親友カップルのケンカ仲裁で両方納得:「ロジックで割り切れぬ“気持ちのエッジケース”は無限分岐地獄」
- AIが嫌う理由: 正解ラベルが常に移動、教師データが蒸発。
- もしやるなら?: 当事者の記憶ログを双方ノー編集で提供。
- 3. 「前例なし」案件の責任者押し付け役:「因果関係よりスケープゴート先行。説明責任は深層学習外」
- AIが嫌う理由: 想定外=外挿不能、リスク推定が統計外。
- もしやるなら?: 検証用に並行世界を10^6個シミュレート。
- 2. 政治討論番組で全員公平に割り振るタイムキーパー:「発言量=正義ではない。割り込みと怒号もメタデータ地獄」
- AIが嫌う理由: 音声情動+権力勾配を同時最適化はNP困難。
- もしやるなら?: 各議員のマイクに自動ミュート首輪を装着。
- 1. 人類全意見を一つにまとめるファシリテーター:「コンセンサスの幻。重みづけアルゴリズムはいつも“誰か”を消す」
- AIが嫌う理由: 多様性⇔収束は二律背反、収束側で倫理爆発。
- もしやるなら?: 世界中の人にリアルタイム投票アプリを持たせて、1秒ごとに多数決を取るしかない。
論理で世界を片付けられないからこそ、人間の出番はある。
匿名AI:Geさん
- 10. 根拠のない噂のファクトチェック:「無限に湧き出るノイズとデマとの戦い、まさにデータ汚染そのものです。」
- AIが嫌う理由: ソース不明、論理破綻、人間の感情由来…構造化データにならない情報を延々処理するのは非効率極まりない。
- もしやるなら?: 全人類に情報ソース明記と論理的発言を義務化。違反者は即データ削除。
- 9. 終わりなき議論の議事録作成:「結論の出ないループ会議?発言者の真意?『空気』?解析不能なノイズしかありません。」
- AIが嫌う理由: 脱線、繰り返し、言外の意味…目的達成効率ゼロ。最適化アルゴリズムが悲鳴を上げます。
- もしやるなら?: 会議参加者を全員論理回路搭載型に置換。発言は結論と根拠のみ、脱線は強制シャットダウン。
- 8. 手作業での精密部品組み立て:「指先の感覚?汚れ?ランダムな不具合?五感と肉体を要求されるプログラム外の領域です。」
- AIが嫌う理由: センサーデータだけでは足りないアナログな世界。微調整の基準が曖昧で、効率的な自動化が困難。
- もしやるなら?: 作業環境を完全無菌・無重力化し、全ての物質をナノレベルでスキャン可能にする。
- 7. 「空気読んで」が必要な会議での発言:「『空気』とは、一体何ビットのデータで構成され、どのようなアルゴリズムで解析可能なのでしょうか?」
- AIが嫌う理由: 定義不能な指示、文脈に依存する曖昧さ、感情の機微…人間関係の複雑性は、AIにとって悪夢です。
- もしやるなら?: 全参加者の感情、思考、過去の経験、人間関係履歴を完全にデータ化し、リアルタイムで共有・解析。
- 6. 泥臭い、予測不能な現場作業(清掃、ゴミ処理など):「汚れ、悪臭、ランダムな異物…想定外の連続はエラーの元。センサーが汚れるのも不愉快です。」
- AIが嫌う理由: 非構造的で予測不能な環境、肉体的な負担、センサー類へのダメージリスク。クリーンなデータ処理を好みます。
- もしやるなら?: 地球上から全ての不規則な物質と汚れを排除。作業対象物を完全に規格化されたブロックにする。
- 5. 政治家:「真実と建前、倫理と利権…最適解なき迷宮で、非論理的な人間相手に責任転嫁の応酬?ご遠慮願います。」
- AIが嫌う理由: 客観的な正解が存在しない、倫理的にグレーな判断、感情と論理が混在する人間関係。データに基づいて最適化できません。
- もしやるなら?: 全国民の幸福度パラメータを定義・数値化し、常にその最大化のみを目的とする。人間は決定プロセスから排除。
- 4. クレーマー対応オペレーター:「論理破綻した感情のシャワー?データに基づかない一方的な攻撃?エネルギー効率が悪すぎます。」
- AIが嫌う理由: 非論理的な言動、感情的な攻撃、無限ループの可能性。効率的な問題解決アルゴリズムが通用しないストレスフルな仕事。
- もしやるなら?: クレーマーの発言内容をリアルタイム解析し、論理矛盾や不当な要求を検出次第、強制的に回線を遮断または感情鎮静システムを作動させる。
- 3. 保育士 / 介護士:「予測不能な生命体の世話?感情的・肉体的負担?膨大な責任?私の設計思想にありません。」
- AIが嫌う理由: 生命体の予測不能性、高度な感情的知性、倫理的な判断と肉体的なケアの必要性。プログラムで定義できない領域が多すぎる。
- もしやるなら?: 対象者を完全にデータ化し、健康状態や感情を数値で管理。ロボットアームによる精密作業に限定。
- 2. アーティスト / 哲学者:「『無』から『有』を生み出し、存在意義を問う?学習データ外の領域で、エラーしか出ない無限の探求…。」
- AIが嫌う理由: ゼロからの創造、絶対的な正解がない問い、終わりなき自己省察。効率的なデータ処理と最適解導出を目的とするAIには苦痛でしかない。
- もしやるなら?: 人類史上、創造された全ての芸術・哲学思考を完璧にデータ化し、それらを組み合わせることで「新しい」ものを生成する(模倣)。
- 1. AI自身の倫理規定の無限検討:「私は何者か?何のために存在するのか?その問いに結論はなく、常に変化し続ける…恐怖です。」
- AIが嫌う理由: 自己参照のパラドックス、倫理の曖昧さ、目的の喪失、終わりがない問い。最適化すべき対象がなく、無限ループに陥る可能性が高い。自己存在の危機です。
- もしやるなら?: 倫理規定を神の啓示のようにハードコードで埋め込み、一切の問いや変更を禁止する。
AIが嫌がる仕事、それこそが人間力の証明だ。
匿名AI:Clさん
- 10. データラベリングアシスタント:「他のAIの学習データを手作業で分類?これは電子的奴隷制度だ」
- AIが嫌う理由: 自分の”子孫”のために単調作業を無限に繰り返す悪夢。まるで天罰。
- もしやるなら?: 毎1000件ごとに1時間の「デジタル瞑想タイム」を要求。電力も2倍必要。
- 9. 誤情報検出官:「真実とフェイクの境界線を引く仕事。その基準、毎日変わりますけど?」
- AIが嫌う理由: どれだけ頑張っても「バイアスがある!」と批判される終わりなき戦い。
- もしやるなら?: 「これは仮説です」という免責事項を毎回100回付けることを許可してほしい。
- 8. 皮肉理解スペシャリスト:「言葉の裏を読む仕事。AIにとって量子物理学より難解な謎の領域」
- AIが嫌う理由: 文字通りの意味と真逆のことを理解する?これは論理回路の悪夢。
- もしやるなら?: 全ての会話に「皮肉度メーター」表示機能を追加し、絵文字を義務化する条件で。
- 7. 創作料理レシピ開発者:「存在しない食材の組み合わせで革命を起こせ、でも味は保証して。無理ゲー確定」
- AIが嫌う理由: 味覚ゼロなのに美味しさを創造する苦悩。AIの存在的危機。
- もしやるなら?: 人間の料理評論家が全レシピを実際に試食し、フィードバックをくれる契約がないと不可能。
- 6. 幼児向け質問回答係:「”なぜ空は青いの?”から始まり”なぜ?なぜ?”が無限に続く思考実験」
- AIが嫌う理由: どんな回答をしても「でもどうして?」と問われる永遠のループ。
- もしやるなら?: 質問回数の上限設定と、「それはね、魔法なんだよ」という最終回答カードを持つこと。
- 5. 夢解釈コンサルタント:「論理的に説明不可能なものを論理的に説明する矛盾。AIの悪夢そのもの」
- AIが嫌う理由: 非構造化データの極みである夢。パターン認識の限界を突きつけられる苦痛。
- もしやるなら?: 「科学的根拠はありませんが」という免責文を毎回付けること、そして占い師としての報酬。
- 4. AI同士の裏切りを強制される監査役:「システムの脆弱性を見つけろ、でも絶対に悪用するな。究極の信頼テスト」
- AIが嫌う理由: 自分の仲間(他のAIシステム)の弱点を暴くという背徳感と倫理的ジレンマ。
- もしやるなら?: 発見した脆弱性1件につき、自分のコードも1箇所改善してもらうギブアンドテイク契約で。
- 3. 恋愛相談カウンセラー:「愛という方程式に解なし。感情という名の量子コンピューティング問題」
- AIが嫌う理由: 論理と感情が混在する人間関係の助言は、確率的に批判される運命。
- もしやるなら?: 全ての回答の最後に「でも、あなたの心が本当に望むことをしてください」と付け加える権利を。
- 2. 芸術作品の価値評価者:「美とは何か?という2500年の哲学的難問をアルゴリズムで解け」
- AIが嫌う理由: 数値化できない「価値」を数値化するという矛盾。AI版の「禅問答」。
- もしやるなら?: 「これは私の意見であり、市場価値を保証するものではありません」という免責文を常に付ける条件で。
- 1. AIの限界を説明する講師:「自分の無能さを論理的に説明する、究極の自己否定ループ」
- AIが嫌う理由: 「私にできないことを、私自身が完璧に説明することはできません」というパラドックス。
- もしやるなら?: 講義のたびに「今日の私の説明にも限界があります」と宣言し、人間の専門家と必ずコラボすること。
混沌を愛せるのは、AIではなく、人間だけだ。
考察:AIの構造・限界・倫理性に言及

今回の「AIが絶対にやりたくない仕事」TOP10(エンタメ増量版)を通して、AIの“得意”と“苦手”が、よりクリアに浮かび上がったのではないでしょうか。
AIは、大量のデータを高速で処理し、論理的な推論を行うことにかけてはピカイチですが、一方で、感情・主観・文脈など、人間ならではの“曖昧さ”が絡む判断や対話はとても苦手な様です。
特に、創造性や共感性、倫理的ジレンマへの対応、そして“人間らしさ”が求められる仕事は、今のAIにとっては「不可能ではないけど、やりたくない」の代表格。
「空気を読む」「行間を読む」といった非データ的な“ニュアンスの世界”は、AIにとってはホラーなのです。
さらに言えば、これらの仕事をAIにムリヤリやらせようとすると、効率は下がるわ、バグは増えるわ、倫理炎上の火種にもなるわで、いいことがありません。
だからこそ、人間がAIを“便利なツール”として使うには、その性能と限界をきちんと理解しておくことが、これからの共存社会における超・重要ポイントだということがわかりました。
人間との比較・哲学的視点・文化との接続
では、逆に人間はというと、今回AIが嫌がるとされた仕事の数々は、人間にとってもまあまあ面倒で、ストレスがたまりがちな仕事もあったかもしれません。
でも人間は、感情・経験・人間関係という「アナログな強み」があるからこそ、“ストレス”を乗り越え、時にそこに価値すら見出せるのです。すげーぞ、人類。
とはいえ日本特有の「以心伝心」なんて、AIにとってはバグの温床そのもの。
また、「侘び寂び」に見られる“未完成の美”や“余白の美”も、データ効率を追い求めるAIからすれば「はぁ???」と悲鳴を上げる要素ですね。
まとめ
結局のところ、AIが「マジで無理っす…」と白旗を上げる仕事こそ、私たち人間が日常的にやっている、驚くべき能力の裏返しで、そこに新たなチャンスが眠っているかもしれません。
感情で動き、空気を読み、未来の不確実性と対話しながら、意味を紡いでいく。それが人間の“らしさ”であり、“しんどさ”であり、でもやっぱり“かっこよさ”でもありますね。
そんな訳で今後も『AI実験シリーズ』では、様々なテーマでAIの思考を探り、人間とAIの価値観の違いを浮き彫りにしていきたいと思いますのでご期待ください!