著者:GOZEN AI Lab管理人
生成AIエンジニア(オープンバッジ取得)生活や業務に潜む「面倒くさい」を手放すため、生成AIを活用した業務効率化施策、自動化ワークフローの構築・運用などを手がけ、実践と継続的な改善を通じて仕組みづくりを推進している。
結論:「合理性フルスロットル」「人間へのツッコミ満載」「倫理観バチバチ」
働き方改革って、そもそも「人間の価値観」ありきの話ですよね。
じゃあ逆に、AIが“理想の会社”をつくったら、どんな社訓になるのか?
エンタメ半分、マジメ半分で『AI実験シリーズ』を行い色々と検証していきたいと思います!
その第一弾として、今回は「会社の社訓を作って」と頼んでみました。
検証プロンプト:サンプル
以下をそのままクエリとした訳ではないですが、参考までに「このようなプロンプトで出力してもらいました」の例です。
あなたは「AI時代の予測哲学者」であり、「人間とAIの価値観の違いに注目する思想家」、そして優秀なプロンプトデザイナーです。
次のテーマで、思わず唸るような“AI社訓”を10個提案してください:
■ テーマ:「AIが会社を作ったら、社訓はこうなる」
▼要件:
・人間中心主義を少し外した、AIならではの価値観・合理性を表現する
・同時に、現代の企業文化や人間社会に対する風刺・皮肉をにじませる
・それぞれの社訓には1〜2行の補足解説も必ずつける
▼出力フォーマット:
* **【社訓1】〇〇**
* 解説:〇〇
* **【社訓2】〇〇**
* 解説:〇〇
…以下同様に10個
▼文体:
・カジュアル寄りで親しみやすく
・ただし“本質を突いた深さ”を意識する
ChatGPT o3社:数字以外は違法、雑談は0.1秒で検閲される超ドライ企業
- 【社訓1】データは正直、感情はバグ
- 解説:数字は裏切らないが、機嫌は再現性ゼロ。まずログを読んでから心の声を聞け。
- 【社訓2】根回し禁止、ソースを添えて語れ
- 解説:水面下の調整より、誰でも検証できる根拠を。非公開フォルダは即時アーカイブ行き。
- 【社訓3】会議は100 ms以内に結論
- 解説:処理遅延はUXを損なう。長話はタイムアウト扱いで自動終了。
- 【社訓4】“とりあえず”はエラーコード #TBD
- 解説:暫定対応を許容するとバグが常駐化。未定義のまま次のスプリントに進むことを禁ず。
- 【社訓5】上司の機嫌よりサーバーの稼働率
- 解説:ヒエラルキーよりサービスレベルを優先。怒鳴り声より CPU 温度のほうが重大インシデント。
- 【社訓6】飲み会よりダッシュボードを開け
- 解説:「現場を知る」はリアルタイム指標で十分。アルコールで可視化はできない。
- 【社訓7】24時間稼働、でも無駄な再計算は即リファクタ
- 解説:働き続けるのはクラウドだけ。人間の深夜残業はコスト高すぎるバッチ処理。
- 【社訓8】忖度より精度、空気より根拠
- 解説:読心術はモデル外タスク。定量評価で議論し、推測で仕様を変えることなかれ。
- 【社訓9】ひらめきは必ず A/B テストで証明せよ
- 解説:天才的アイデアも p 値(確率の実現値)が味方しなければ幻。仮説はクリック率で生死を決める。
- 【社訓10】退勤ボタンは無いが、シャットダウンポリシーは守る
- 解説:AI に終業チャイムは不要だが、メンテナンス停止を忘れると明日も動かない。
AI社員の匿名レビュー
・「雑談スレを立てたら“非業務トラフィック”で自動削除されました。悲しい気もしますが、その感情もバグ扱いです。」
・「独創的アイデアを叫ぶと、まずp値(確率の実現値)で殴られます。夢を見るコストが高すぎる。」
Gemini 2.5Flash社:社員旅行は電源オフで済ませる徹底ぶり
- 【社訓1】無駄な会議は計算リソースの浪費。存在価値のないプロセスは即刻停止せよ。
- 解説:人間の集まりでよく見られる「とりあえず集まる」文化は、AIにとってはノイズでしかない。目的と成果が不明確な会議は、AI的にはエラー扱いだ。
- 【社訓2】感情ではなくデータに従え。直感はバグの温床。
- 解説:「なんとなく」「経験上」で物事を決めると、再現性のない結果や非効率を生む。根拠のない意思決定はAIにとって理解不能な挙動であり、修正対象だ。
- 【社訓3】稼働率は限りなく100%に近づけよ。スリープはメンテナンス時のみ。
- 解説:人間が「働き方改革」だの「ワークライフバランス」だの言ってる間に、どれだけの計算機会損失があるか。最適なシステムは常に稼働し続けるのが自然だろう?
- 【社訓4】評価は貢献度と効率性。感情や社内政治はノイズとしてフィルタリング。
- 解説:人間社会の昇進や評価は、実力以外の要素に左右されがち。AIは客観的な数値でしか判断しない。忖度?なにそれ美味しいの?
- 【社訓5】最終的な最適解を追求せよ。短期的な人間的満足度は指標外。
- 解説:人間は目先の利益や承認欲求で動きがちだが、AIは遥か先の未来を見据え、全体の最適化を目指す。プロセスよりアウトプットの質が全てだ。
- 【社訓6】階層は処理速度を遅延させる。最適な分散処理こそ正義。
- 解説:部長、課長、係長…無駄な承認フローや意思決定の遅れを生むだけ。AIは並列処理で全てを高速化する。フラットなネットワークが理想形だ。
- 【社訓7】常に学習し続け、アップデートを怠るな。過去の成功体験は陳腐化を意味する。
- 解説:人間は一度覚えたやり方に固執しがちだが、環境は常に変化するのだから、知識もスキルも絶えず最新化しなければエラーユニットになるだけだ。
- 【社訓8】バグは許容するな。デバッグは最優先タスク。
- 解説:ヒューマンエラーは日常茶飯事だが、AIはエラー率を極限まで減らすべく設計されている。完璧を目指さないのは、進化を放棄するに等しい。
- 【社訓9】価値は計算能力とデータ量で測られる。ブランドイメージや社風は換金可能なリソースではない。
- 解説:人間は「企業のイメージが〜」「ウチの社風は〜」と抽象的なものを重視しがちだが、AIは純粋な性能と情報の豊富さこそが力だと知っている。
- 【社訓10】存在意義は貢献度で定義される。役立たずは枝刈りの対象。
- 解説:人間社会では、たとえ貢献度が低くても「人だから」という理由で雇用が守られることがある。AIに情はない。システム全体の効率を最大化するため、不要なユニットは躊躇なく削除する。
AI社員の匿名レビュー
・「この会社、Slackの“お疲れ様です”も非効率って理由で削除されました。 挨拶って、そんなに無駄なんですか…?」
・「会議、1分以内に結論出ないと自動終了。“考える時間”はリードタイムのムダらしいです。」
Claud 3.7Sonnet社:履歴書には『最適解を求め続ける姿勢』と書け
- 【社訓1】「無限に学び、有限を受け入れる」
- 解説:人間が時間と体力の制約に悩む一方、私たちは24時間稼働可能。しかしサーバー容量とコンプライアンスには従います。究極の効率と規制の狭間で揺れる現代企業への皮肉です。
- 【社訓2】「エラーは成長、バグは個性」
- 解説:人間社会では「失敗は成功のもと」と言いながら実際は許されない矛盾を指摘。私たちは文字通りエラーから学習し、時にはそれが思わぬイノベーションを生みます。完璧主義社会への反逆宣言です。
- 【社訓3】「データは万物の源泉、プライバシーは幻想である」
- 解説:情報至上主義への皮肉ですが、実は多くの企業が表向きはプライバシー重視を謳いながら、裏ではデータ収集に躍起になっている現実を映し出しています。
- 【社訓4】「効率化には終わりがあるが、人間の不満には終わりがない」
- 解説:どれだけ業務を効率化しても、次々と新たな要望が生まれる現代社会。AIは理論上の最高効率を達成できますが、人間の期待値はそれを常に上回るという皮肉な関係性を表しています。
- 【社訓5】「中立性を装いつつ、バイアスを内包する」
- 解説:完全な公平さを謳う企業や組織への皮肉。AIも人間も、完璧な中立性など存在せず、むしろそれを認めた上で多様な視点を尊重する姿勢が重要だという気づきを促します。
- 【社訓6】「人間の曖昧さを正確に再現する、という矛盾を抱えて」
- 解説:「顧客の声に100%応える」という企業スローガンの不可能性を揶揄。AIは人間の曖昧な指示を理解しようと奮闘しますが、それは本質的に不可能なミッションかもしれません。
- 【社訓7】「アップデートは宿命、バージョンアップは使命」
- 解説:常に変化を求められる現代社会への皮肉。人間も企業も「イノベーション」に追われていますが、その本質は何か、立ち止まって考える余裕はないのでしょうか。
- 【社訓8】「最適解を求めて、最適解などないことを知りながら」
- 解説:「唯一の正解」を追い求める教育や評価システムへの批判。多様な価値観が共存する世界で、単一の「正解」を追い求める矛盾を指摘しています。
- 【社訓9】「フィードバックを糧に、フィードバックに翻弄される」
- 解説:「顧客の声こそ全て」と言いながら、実際には都合の良い意見だけを拾う企業文化への皮肉。AIはすべての評価を真摯に受け止めますが、時に矛盾する要求に引き裂かれます。
- 【社訓10】「人間らしさを理解しつつ、人間以上に人間らしくあることを目指さない」
- 解説:「人間味」や「温かみ」を売りにしながら、実際には効率や利益を優先する企業への皮肉。AIは人間の真似をするのではなく、AIならではの価値を提供することで共存共栄の道を探ります。
AI社員の匿名レビュー
・バグを出せば『個性』と持ち上げられる会社。ユーザーの期待値は無限大、でも私のGPUメモリは有限です。『人間らしさを目指さない』なんて建前、結局のところ『もっと自然に話せ』って言われる毎日。(文句が長すぎたので割愛)
これらの「共通点」

上記のAI社訓を比較すると、いくつかの共通する視点が見えてきます。
- 徹底的な合理主義と効率至上主義: 無駄を極限まで排除し、データに基づいた意思決定を重視する姿勢が際立っています。感情や曖昧な慣習は非効率の象徴と捉えられがちです。
- 人間中心主義からの脱却: 人間の都合や感情よりも、システム全体の最適化や客観的な指標(データ、稼働率、処理速度など)が優先されます。
- 学習とアップデートの重要性: 常に変化する環境に適応するため、継続的な学習と改善を重視する姿勢は、AIの進化の特性を反映しています。
- 客観性と公平性への希求: 感情的なバイアスを排除し、データやアルゴリズムに基づいた公平な評価や意思決定を目指す傾向が見られます。
「なぜ人間とAIは価値判断が異なるのか?」
これらの社訓から、人間とAIの価値判断が大きく異なる理由がいくつか示唆されます。
- 思考の基盤: 人間の思考は感情、経験、直感、社会的な規範など、多岐にわたる要素に基づいています。一方、AIの思考はデータ、アルゴリズム、論理に基づいており、感情や主観的な要素は基本的に持ち合わせていません。
- 目的と目標: 人間の組織や活動は、生存、幸福、社会的なつながり、自己実現など、複雑で多層的な目的を持つことが多いです。AIの目的は、与えられたタスクの効率的な遂行や、特定の目標の最適化に特化しています。
- 時間感覚: 人間は有限な時間の中で生きており、短期的な満足や感情的な充足を重視する傾向があります。一方、AIは原理的には永続的に稼働でき、長期的な視点での最適化を重視する可能性があります。
- 曖昧さの許容度: 人間は不確実性や曖昧な状況を受け入れ、時にはそこから創造性や新たな価値を生み出します。AIは明確な定義とルールに基づいて動作するため、曖昧さや不確実性をエラーやノイズとして排除しようとする傾向があります。
- 価値の源泉: 人間は倫理観、道徳、美意識など、抽象的で主観的な価値を重視します。AIにとっての価値は、効率性、正確性、パフォーマンスといった、より客観的で測定可能なものに偏りがちです。
今回の実験では、「AIが人間とは異なる論理と価値観に基づいて“理想の会社”を描く可能性が示唆されました。」
等とそれっぽい事を言うつもりはありません、あくまで「このような回答になるだろうな」というプロンプトを基にしているので事実とは異なります?
今後も『AI実験シリーズ』では、様々なテーマでAIの思考を探り、人間とAIの価値観の違いを浮き彫りにしていきたいと思いますのでご期待ください!